基礎情報処理演習（地球工学科1回生T2クラス）

gnuplotによるグラフの作成 (第10章)

今日の目標

データファイルを読み込んで、グラフを作成する(教科書10章)。
線のスタイルを設定する(教科書10章)。
gnuplotで作成したグラフをLaTeXに貼り付ける(教科書11章)。

今日の演習

2次元のプロット

教科書 10.3.1 「gnuplotによるグラフの作成」と 10.4 の「gnuplot入門」をよく読んで gnuplot の基本操作を学んで下さい。

gnuplotを起動する前に http://electra.kumst.kyoto-u.ac.jp/kougi/kisojoho/gnuplot2/sample1.dat を保存して下さい。ファイルの保存は、Firefox上で上記のリンクを右クリックして適当なディレクトリ(ホームディレクトリなど)に保存するか、あるいは、 GNOME端末上でwgetコマンドを使って下さい。 wget コマンドは以下のようにして使います。
```
 bash 3.00$ wget http://electra.kumst.kyoto-u.ac.jp/kougi/kisojoho/gnuplot2/sample1.dat
```
ファイルの中身を確認しておきましょう。データが3列あることを確認して下さい。
```
 bash 3.00$ cat sample1.dat
```
GNOME端末でgnuplotを起動します。 gnuplotの後に&は付けないで下さい。
```
 bash 3.00$ gnuplot
```
"sample1.dat" をプロットします。特に何も指定しない場合は1列目のデータがx軸、2列目のデータがy軸となります。
```
 gnuplot> plot "sample1.dat"
```
点と線でグラフを描きます。(スタイルについては教科書p.143参照)
```
 gnuplot> plot "sample1.dat" with linespoints
```
なお、次のように省略することもできます。
```
 gnuplot> plot "sample1.dat" w lp
```
線のみでグラフを描きます。
```
 gnuplot> plot "sample1.dat" with lines
```
やはり、これも次のように省略できます
```
 gnuplot> plot "sample1.dat" w l
```
線のスタイルを変更します。lines, points, linespointsなどの後に正の整数を入れることで線および点のスタイルを変更することができます。 (線のスタイルのみを指定するときは-1と0も使えます。 -1では太線、0では破線となります。)
```
 gnuplot> plot "sample1.dat" with linespoints 2
```
線のスタイルが変わっていることを確認して下さい。 (画面上では色が変わります。1:赤,2:緑,3:青など。ポストスクリプトファイルでは線の種類が変わります。 1:実線、2:破線、4:点線など。)
キーを付けます。「plot "データファイル" title "キー" with linespoints "番号(整数)"」の順番で入力します。
```
 gnuplot> plot "sample1.dat" title "x^2" with linespoints 2
```
右側に付いているキーを左側に移動します。
```
 gnuplot> set key left
```
```
 gnuplot> replot
```
次に、sample1.dat の1列目のデータと3列目のデータを使ってグラフを描きます。列を指定するときは "using x軸に対応する列:y軸に対応する列" を使います。(教科書p.142参照)
```
 gnuplot> plot "sample1.dat" using 1:3
```
キーを付け、ポイントのスタイルを3に変更します。「plot "データファイル" using "x軸に対応する列:y軸に対応する列" title "キー" with linespoints "番号(整数)"」の順番で入力します。
```
 gnuplot> plot "sample1.dat" using 1:3 title "x^2-10" with points 3
```
x軸を点線で表示します。
```
 gnuplot> set xzeroaxis
```
```
 gnuplot> replot
```

3次元のプロット

http://electra.kumst.kyoto-u.ac.jp/kougi/kisojoho/gnuplot2/sample2.dat を保存して下さい。保存できたら、ファイルの中身を確認しましょう。
```
 bash 3.00$ cat sample2.dat
```
空行でデータの集まりが区切られていることを確認して下さい。
gnuplotを立ち上げ、"sample2.dat"を3次元空間にプロットします。何も指定しなければ、1,2,3列目のデータがそれぞれx,y,z軸に対応します。
```
 gnuplot> splot "sample2.dat"
```
マウスの左クリックで視点(アングル)を変更することができます。視点を変えてどのようにプロットされているか見てください。
点と線(面)で表します。
```
 gnuplot> splot "sample2.dat" with linespoint
```
gnuplotでは面は格子状に作られます。そのため、面を作成するためには "sample2.dat"のように空行で区切られているデータの数をそろえる必要があります。 "sample2.dat"は5個ずつのデータに区切られています。
隠線処理を行います。
```
 gnuplot> set hidden3d
```
```
 gnuplot> replot
```
epsファイルとして保存します (教科書10.3.1.8参照)。 EPSはEncapsulated PostScriptの略で、特殊なポストスクリプトファイルです。 LaTeXに画像として貼りつけることができます。
```
 gnuplot> set terminal postscript eps
```
```
 gnuplot> set output "sample2.eps"
```
```
 gnuplot> replot
```
LaTeX に貼り付けてみましょう。下記のようなLaTeXファイルを作成して下さい (教科書11.4, 11.5参照)。
```
\documentclass[a4j]{jarticle}
\title{epsファイルを\LaTeX に貼り付ける練習}
\author{地球太郎 (9876543210)}
\date{\today}
\usepackage{graphicx}
\begin{document}
\maketitle
\begin{figure}[h]
\begin{center}
\includegraphics{sample2.eps}
\end{center}
\caption{$z=x^2+y^2$}
\end{figure}
\end{document}
```
- \usepackage{graphicx}は図を張り付けるためのパッケージを呼び出しています。
- figure環境の中では図に caption や label を付けることができます。
- center環境の中では文書や図が真ん中に寄ります。
- \includegraphics{sample2.eps} で図を張り付けます。
- \caption{$z=x^2+y^2$} でキャプションを付けます。キャプションとは図や表につける説明のことです。
コンパイルは platex を使います。
```
 bash 3.00$ platex-utf8 file.tex
```
プレビューは xdvi を使います。
```
 bash 3.00$ xdvi file.dvi &
```
緑色の部分は自分で命名したファイル名を入れて下さい。

今日の課題

以下のグラフをgnuplotで作成し、epsファイルとして保存して下さい。そして、そのepsファイルをLaTeXに貼りつけ、プリントし提出してください。データは http://electra.kumst.kyoto-u.ac.jp/kougi/kisojoho/gnuplot2/kadai3.dat を使って下さい。なお、この課題で作成したepsファイルおよびLaTeXファイルは次回も使用するので、消去しないで下さい。

gnuplotsample

ヒント

gnuplot

データを点と線で結んで下さい。線、点のスタイルは 1 を用いて下さい。
データのプロットだけでなく、関数 y=e^-πx/10とy=-e^-πx/10をグラフに書き加えて下さい。関数の表記については教科書p140,141を参照して下さい。なお、πは pi と入力します。例えば、一つ目の関数は exp(-pi*x/10.)となります。線のスタイルはそれぞれ 4 と 6 を用いて下さい。 plotコマンドでは , データや関数を,(コンマ)で区切って並べて書くと複数の曲線(曲面)が描けます。
キーはデータによるプロットをf_0(x)とし, 関数によるプロットをf_1(x), f_2(x) として下さい。
x軸、y軸にラベルをつけて下さい。 x軸のラベルは 'Time (sec)'、y軸のラベルは 'Voltage (V)' として下さい。
x軸に点線を引いて下さい。
x軸、y軸の範囲を指定して下さい。

LaTeX

LaTeX には自分の名前と学籍番号を明記して下さい。
キャプションは "電圧の減衰"として下さい。
仕上りは下図のようになるはずです。

プリンタ出力の提出をもって出席とします。出力できない者は口頭で申し出て下さい。時間内にできなかった場合、来週の演習時間までに完成させて演習開始時に提出して下さい。

おまけ

課題が終わってしまった人は、トライしましょう。（提出すると課題点にボーナスがつきます）。提出する際は氏名、学生番号を書いて課題とは別紙にして下さい。

次週までに

教科書の10章(gnuplot)をもう一度復習しておきましょう。

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